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Eric Carleエリック・カールについて

エリック・カールのプロフィール画像

Profile

1929年アメリカのニューヨーク州に生まれ、ドイツで育つ。
シュツットガルトの美術アカデミーを卒業後、アメリカに戻り、グラフィックデザイナーとして活躍。
1968年に絵本『1、2、3 どうぶつえんへ』(ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞)を発表して以来、世界中で親しまれる絵本作家となる。 代表作に『はらぺこあおむし』『くまさん くまさん なにみてるの?』『パパ、お月さまとって!』など。
2002年には、アメリカ・マサチューセッツ州に〈エリック・カール絵本美術館〉を創設。
2021年5月没

「絵本の魔術師」と呼ばれ、日本でも人気の高い絵本作家エリック・カール。仕かけのある絵本づくりが得意で、世界的なベストセラー絵本『はらぺこあおむし』では、あおむしが食べ物をかじった穴が実際にくり抜かれています。ほかにも、主人公がページから飛び出したり、虫の音が聞こえたり、ピカッと光ったり。子どもたちはおもちゃのような絵本で遊びながら、虫や動物の習性、月の満ち欠けなどの自然のリズム、数や色、小さな生き物を見守る眼差しなどを、いつの間にか学ぶことができます。

エリック・カールは1929年にニューヨーク州シラキュースで生まれました。子どもの頃父親と森をよく歩き、自然が好きになったといいます。学校に入るとよく絵を描いていました。その後両親が生まれたドイツに戻り第二次世界大戦後まで過ごし、シュトゥットガルトの美術アカデミーで商業美術を学びました。

23歳になってアメリカに戻り、広告のデザインの仕事に就きました。自然を愛する心、鮮やかな色彩、コラージュの手法を磨くうちに、やがて「ただ絵が描きたいだけ」と気付き会社をやめました。そんなとき、著名な教育者で作家のビル・マーチン・ジュニアがエリックの広告を見て挿絵の依頼が舞い込みました。こうして、1967年に絵本作家としてのデビュー作『くまさんくまさんなにみてるの?』が誕生しました。

エリックはその後1968年に『1,2,3,どうぶつえんへ』を自分一人で作ると、翌年1969年に『はらぺこあおむし』を発表しました。その後も、手触り、音、光などのユニークな仕掛けある「遊ぶ本」を次々に生み出しました。生涯で80冊以上の絵本を発表し、60ヵ国語以上の言語に翻訳されています。2002年にはマサチューセッツ州アマーストにエリック・カール絵本美術館を設立し、自分の作品だけでなく国内外の優れた絵本の原画を幅広く収集・展示し、さまざまなワークショップを行っています。

エリック・カールの絵本作りはとても特徴的です。自分の手で絵具を塗ったさまざまな薄紙(ティッシュペーパーと呼ばれています)を切ったり破いたりして、さまざまな生き物をコラージュによって生み出します。ティッシュペーパーは、白い薄紙にアクリル絵具を塗って作ります。一枚一枚がまるで抽象絵画のようで、「絵具を塗った絵はわたしのパレットのようなものなんだ」とエリックは語ります。